バイクのふるさと浜松2019

バイクのふるさと浜松2019

バイクのふるさと浜松

1979年、ヤマハ発動機の宣戦布告により静岡県浜松市でHY戦争が勃発した。戦線は1983年の終戦まで拡大を続け、内地の主戦場となった浜松市では総人口の約半分を失ったと言われる。

浜松市では毎年この時期になると、HY戦争で犠牲になった尊い命を弔う「バイクのふるさと浜松」というイベントが開催されている。

イベント名が少々ポップだが、厳粛なイベントであり、全国から毎年数多くの追悼者が集まる。

実を言うと、浜松市は僕が生まれた街でもある。幸い、僕の住んでいた地域は中立を保っていた独裁小国家スズキの領土だったため、被害は少なかったようだが、当時を知る父や母はHY戦争のことを語りたがらなかった。

大人になって浜松市を出た僕は、いつしかバイクに乗るようになった。今思えば、浜松市に生まれた宿命だったのかもしれない。

僕が浜松市を出て10年になる今年、僕ははじめて「バイクのふるさと浜松」に行ってみることにした。犠牲者達の追悼のために、そして父や母が話さなかったこの街の歴史を知るために。

そう、これはバイクと僕のふるさと浜松の物語だ。

トライアルデモ

会場の浜松市総合産業展示館につくと、早速トライアルのデモンストレーションが行われていた。HY戦争末期にはトライアル兵達によるゲリラ戦が市街地で繰り広げられたそうなので、たぶんその関係でやっているんだと思う。

トライアルははじめて見たのだが、トッププレーヤーの走りにすっかり心を奪われてしまった。

明日(8/25)もデモをやるそうなので、トライアル見たい、追悼したい、という人は是非見に行って欲しい。

コンテンドジャケット

浜松市はクシタニとHYODの本社があることでも知られており、イベント会場にもクシタニが出店していた。

僕の目的は追悼な訳だけど、せっかくなので覗いて見ることにした。

驚くべきことに、サンプル品のテキスタイルウェアがプロテクター抜きとはいえ半額くらいで叩き売りされれいた。

サンプルはLサイズで作るらしく、Lサイズだけが大量に売られている。父さん母さん、僕をLサイズに産んでくれてありがとう。

父と母に感謝しつつ、正規品の定価約4万のところ2万で売っていたスポーツタイプのコンテンドジャケットを購入した。

ちなみに製品名となっているcontendは「戦う、争う」という意味である。クシタニさんはこのジャケットをイベントで販売することで、逆説的に追悼の意を示しているに違いない。

僕が見た午後の時点ではまだ何着も置いてあったので、クシタニ製品を格安で手に入れたい、追悼したい、あとLサイズだ、そんな人は行ってみてはどうだろうか。

オートバイ女子部

クシタニブースで追悼に勤しむ僕の耳に、どこからか綺麗な声が飛び込んできた。イベントステージでオートバイ女子部のトークショーが始まったのである。

オートバイ女子部という分かり易さを優先した団体名がグッとくる。綺麗な女の子達がバイクの話でわちゃわちゃしており可愛い。
(オートバイ女子部については以下のインスタアカウントを参照して欲しい。https://www.instagram.com/web_autoby/?hl=ja)

この街でも笑顔でバイクの話をしてもいいんだ、そういうメッセージが込められたトークショーだったんだと思う。

明日(8/25)もイベントに来るようなので、オートバイ女子部に会いたい、追悼したい、という人は行ってみてはどうだろうか。

2018年、かつて敵対していたホンダとヤマハの二社は原付の部門で提携を開始した。このニュースには誰もが驚いたことだろう。

2019年、HY戦争の開戦から40周年を迎えた。この40年の間に日本の二輪文化は大きく縮小したと言わざるを得ない。国内での二輪の販売台数はHY戦時中の約1/10にまで落ち込んでいる。

何にしても、世の中は変わった。戦いは終わった。いや、終わったはずだった。

それなのに、虚しい争いは今でも僕らのすぐそばに蔓延っている。メーカーからユーザーへ、販売台数からSNSでのdisへと、その姿形を変えて。

メーカー、車種、排気量、馬力・・・。ステレオタイプなライダー達のそんなマウントの取り合いが新しいライダー達を辟易させている。その行為が二輪文化の未来の首を絞めているいるとも気づかずに。

2019年、「ディスりのないバイク専用SNS」というコンセプトのSNSが登場した。多様性を認め合うという世界の大きな潮流において、その登場はもしかしたら必然だったのかもしれない。

この場所が凝り固まった二輪文化を変えていくきっかけになってくれるかもしれない。そんな期待をしながら、僕は今日もRIDE MATEにアクセスする。

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